観たものと背景

 劇場アニメ『映画大好きポンポさん』を観ました。

 劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイト

 2017年にpixivで話題になった漫画の劇場アニメ化とのこと。(私自身は恥ずかしながら全く知りませんでした。)

 映画を観たきっかけは大したものでもなく、「何かしらインプットしたい」ところに「なんかTwitterで感性を信頼できる人々がこぞって観ていた」ので。
 映画って、たくさんの人の熱と魂のこもった作品を強制的に集中させられる空間で直接目と耳に流し込まれる特殊な環境なので好きです。煮詰まったときとかの心や感性のリセットによく使う。(といっても「映画好き」かというと全然そんなことないんですが。)

感想・所感(たぶんネタバレ無し)

 以下、観た感想、というよりログです。感想を書きたいというより、単純に自分に何があったのかを整理したくてまとめてる意図が強いです。ほんとに何があったの。
 物語のストーリーに関するネタバレは無いですが、私個人が作品に対して感じた偏見と諸々を書いているので、作品の性質は伝わってしまうかもしれません。気になる方はバックバック。
 ちなみに、ネタバレ全開の超雑多な感想メモは<こちら>。

なんかわからんけどボロ泣きした

 自分でも全くよくわからなかったんですが、スタッフロールでボロ泣きして鼻すすってました。近隣の席の方々なんかほんとすみません。。。
 この映画、別に感動モノとかでは全然ない、ちょうざっくり映画/制作賛歌のテイストが高いお話(のはず)です。(ファンの方々ゆるして)。

映画を愛する青年と映画に愛された女性が映画制作を通して”自分”を見つけ出す、映画愛に満ちあふれた作品だ。

劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイトより

 実際、私自身も映画の中盤くらいまでは正直明確にピンと来てなかった(テンポと作画とアニメーションの良い映画だ〜〜〜くらいだった)です。終盤にさしかかるにあたってめちゃくちゃアツい展開だったので、うぉぉぉぉぉおおおって気持ちは大いにありましたが、泣く原因になるか???って感じ。

夢への向き合い方(本気度の違い)

 鼻をすすりながら(このご時世なので周りの目がアレ)、ぼけーっとスクリーンを出た足でパンフを買い求め、帰路につきながら&おうちでぼーっとしながら「なんで???」をずっと考えたところ、多分
 『夢に対して邁進する人の熱を受け取ったことと、彼らへの憧れと、自分の至らなさ、それでも熱くなったこと、
 が一緒くたになった結果の感情ぐちゃぐちゃなんだと思い至りました。

映画制作の面白さと楽しさ、そして映画監督の尽きない探究心。映画ファンやクリエイターだけではなく、夢と未来を掴もうとするすべての人に贈る、青春“ものづくり”フィルムが、今、ここに誕生する。

劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイトより

 上記の通り、物語のメインは”ものづくり”=映画制作に携わる人々の群像劇なのですが、人物たちの熱量が、映画にかける想いがとにかく熱い。というか重い。自身の様々なものを犠牲にして「好き」であるその道を進んでいます。

 私自身、「好き」で「生きていく」ことを早々に諦めてしまった人間でした。「好きで生きていくって大変だろうな」「もっと現実観なきゃ」とかって理由です。ゲームクリエイターになるんだ!って夢を高校以前で捨ててしまいました。そのほうが楽で、幸せな人生を送れそうだったからです。実際、今はそこそこ楽で余裕のある人生を送っていて、その中で趣味としてちびちびゲームをつくっています。ポンポさんの言うところの「クリエイターとしての資格無し」。『幸福は創造の敵』、金言ですね。

 ですが、趣味ながら私も一度諦めたゲーム制作、創作をしている身です。そこに全力と人生をかける人たちのなんと眩しい、羨ましい、そんな気持ちです。捨てたのは自分なのにね。勝手ですね。

スタッフロール=眩しい人たちの集まり

 そんな眩しさを感じた後のスタッフロールです。スタッフロール。つまり、ここで流れている名前はひとつひとつが、この90分間で観てきた「眩しい」生き方をしている人たちのものなのです。(もちろん必ずしも「夢」としてではなく単に「仕事」として携わっている人もいるとは思いますが。)

 やべ、こんなにたくさんのまぶしい人たちの名前を見ながら、そのアウトプットを観ながら、私はなにをやってるんだろう、なんだかとても至らない気持ちにもなりました。と同時に、間違いなくその眩しさの中から、熱を受け取りました。制作の楽しさ、嬉しさ、苦しさ、規模は小さくてもなんとなく知っているので。

がんばろうね

 そんなこんな、感情ぐっちゃぐちゃにされた稀有な経験でした。ほんとに上の分析で合ってるのかもわからん。もうなにもわからん。
 とりあえず、制作がんばろうね、とおもいましたし、思い直せました。ありがとうポンポさん。ありがとうジーン君。
 ちなみに好きなキャラクタはポンポさんです。パンフにも明記されていましたが、ミニかわいらしいくせに中身40代。すき。
 苦手なキャラクタはアランです。たぶん一番自分に似てるので。パンフによると共感を持ってもらうことを目的としたオリジナルキャラクタとのことですが、まんまと策中です。