やったこと
普段ドット絵でゲームをつくりたいと思って色々やってる人間です。たのしいよ。
このたび一次創作同人誌即売会 COMITIA 137(2021/09/21開催)にサークル参加し、ドット絵にストーリー的な要素をプラスしたドット絵本を頒布しました。その背景や動機・かんたんな流れなどを、だらだら記録として残してみます。
同人誌即売会へのサークル参加、とってもたのしいよ、というお話。この記録を読んでみて気になった方は、ぜひ。
やろうと思った背景
冒頭で「ゲームをつくりたい」と言いましたが、まだ基礎を積み重ねている段階です。ゲームをつくるには多くの時間がかかります。完成までまでアウトプットが無いのは精神的につらい、趣味として楽しくない。このため、まずはゲームをつくる過程として、その一部である「グラフィック」「世界観」を抽出して形にすることにしました。
どうして同人誌の形をとることにしたのかというと、たのしいから&締切があるから。
たのしいから
一般・サークル問わず参加されたことがある方であれば伝わる部分もあると思いますが、同人誌即売会ってめちゃくちゃたのしいんです。
私が即売会の魅力を知っているのは、二次創作の同人誌即売会にサークル参加した経験と、COMITIAにもたびたび一般参加した経験からです。未経験の方は、ぜひ一度一般参加として会場に足を運んでみてください。
たくさんのサークル参加の人たち数千人ひとりひとりが、たくさんの愛と時間を込めて準備してきた創作物たち。会場でその熱を浴びるだけで、自分の熱や創作意欲が爆上がりします。
その熱を持っていざサークル参加すると、自分の趣味を詰め込んだだけの、エゴの塊であるところの本を手にとってくださる方々がいらっしゃるのです。やばい。たのしいうれしい。
一度サークル参加してしまうと、またすぐに即売会に参加したくなっていまいます。即売会は麻薬。
締切があるから
普段からめんどくさがりなので、ゲームづくりもなかなか進まないタイミングが多くあります(ゲームをつくるのがめんどくさいというより、腰が重くて、ついついコンテンツ消費や二次創作に走っちゃう)。ダラダラ進めていると、ただでさえめちゃくちゃに時間がかかるゲーム開発が永遠に終わりません。やべ。
そこで活用するのが締切効果。即売会にはイベント当日という明確なデッドラインがあります。即売会でスペースをいただくためには、参加申込時に参加費をお渡しする必要があります。一度参加費を振り込んでしまったら、本出さなきゃもったいない。出さなきゃ。つくらなきゃ。
そうこうしていると不思議、モノが出来上がっています。イベントマジック。
COMITIA(イベント)参加までの道のり
即売会に申し込もうと決めたあとから参加するまでの道のりは次のような感じでしたので、備忘です。(ちなみに、なんなら即売会に申し込もうかどうか迷っていたらもう申し込んじゃえって最近思ってます。)
イベントへ申し込む
まずはイベントへ申し込みします。
COMITIAなら、公式ページ(および申し込み委託先サービス:circle.ms)からオンラインで申し込み。申込みに際しては、大きいところで以下が必要です。
- 参加費:COMITIAなら7000円弱
- サークル名
- サークルカット
- (必要に応じて)どんな頒布物を予定しているのか
今回、サークルカットは頒布物に関連した、過去作ったドット絵を流用しました。サークルカットはイベントカタログ(COMITIAならティアマガジン:たのしい冊子)に掲載されます。カタログを元にスペースを訪れてくださる方々もいらっしゃるので、どんなものを頒布するかを文字ベースで載せます(自分を追い詰める意味もあり)。
イベントに申し込んでさえしまえばこっちのもの(あるいは締切地獄へようこそ)。
頒布物の概要を決める(申込みと前後)
イベント申し込みと前後しますが、頒布物の内容をざっくり決めました。冒頭の通り、今回の目的は『ゲームをつくる過程として、その一部である「グラフィック」「世界観」を抽出して形にする』です。
つくっているゲームのテーマは『近未来退廃トーキョールームシェア恋人未満大学生百合の日常』。難しいね。単に私の趣味詰め合わせです。
この世界観を出力するにあたって、どんな形が良いかな?よりよく伝わるかな?自分が楽しいかな?を考えた結果、『ドット絵+それにまつわるテキスト』のドット絵本、に決めました。
※グラフィックと世界観を伝えるだけなら、ドット絵一枚絵のイラスト集や、ポストカード、アクリルスタンド、などなどでも叶う内容です。ドット絵本を選んだ理由は、登場人物の日常をより高粒度で表現したいから。言葉による人と人の交流とか、そこから伝わる言外の意思とか、そういうのが好きってのもあります。(あと、シンプルにドット絵だけで世界観を表現することには自信が無い。。。)
本のサイズと大体のページ構成を決める
本を作るために、最初にサイズとページ構成を決めます。これを決めとかないと、いざ入稿データをつくろうというタイミングでバッタバッタすることになります。※前回(二次創作)同人誌発行時に痛い目をみました。。。
最低限決めることは、①用紙アスペクト比 ②用紙の向き ③だいたいのページ数 です。なぜかというと、印刷所と原稿テンプレート、スケジュールを決めるため。ここで決めたポイントが原稿作成中に変わってしまうと、最悪入稿できなくなるんですよね。。。
※①②はともかくページ数はどうとでもなるんじゃない?と思われるかもしれませんが、ページ数が極端に変わると印刷仕様の制限が変わってしまいます(オンデマンド or オフセット印刷 や、 中綴じor無線綴じ、など)。
なお、詳細な装丁とかは入稿のタイミングでどうにでもできるので、後回し。
当初実際に私が作ったページ構成案は以下の通り。うそです。以下は入稿間近にできた案。当初24ページのつもりだったのが、継ぎ足し継ぎ足し44ページになりました。入稿データ的にはギリセーフ(あと1ページでも増えると印刷仕様が変わるところでした)。原稿負荷的にはとってもアウト。反面教師にしましょう。
本の中身の想定として、縦長+横長のコンテンツを予定していたこと&かわいいことから、B5正方形サイズ/無線綴じにしています。
印刷所とスケジュールを決める
頒布物の仕様が決まったところで、それが叶うような本を刷っていただく印刷所を決めます。判断基準は以下かと思います。
- 決めた本の構成が実現できること
- 予算と印刷納期:より安く、より早く印刷できること
私は今回、グラフィックさんを利用しました。そもそも印刷希望の正方形サイズを印刷してくれる印刷所さんが少なく、その中でも安く作ってくれるのがこちらでした(同人誌印刷となるとだいたいB5/A4サイズですからね)。
印刷所およびプランを決めれば、目指すべき締切と入稿テンプレートが決まります。
原稿をガリガリつくる
完成までコンテンツをガリガリつくります。いざ原稿に落とし込む際、印刷所さんが入稿テンプレートを用意してくれてる場合が多いので、それを使います。私は今回、CLIPSTUDIO PAINTでテンプレートを利用して原稿作成しました。前回まで(二次創作の同人誌作成時)はAdobe Photoshopを利用していたのですが、クリスタの方に慣れたこと、クリスタとは別に月額利用料がかかってしまうことから、やめちゃいました。
入稿する
入稿データが正しくできているか確認の上、印刷所に入稿します。今回、グラフィックさんの”同人誌かんたん印刷”というサービスを利用しました。めちゃくちゃかんたんだったよ。
以下の記事に詳細を書いたので、読んでみてください。
データチェック完了のお知らせを受け取ることができれば、脱稿!あとは印刷と到着をわくわく待つだけ!!!たのしみだね!!!!!
イベントの準備をする
脱稿さえしてしまえばこっちのもの。イベント当日を楽しみにしながら、スペース設置物などをいろいろ準備するだけです。
即売会経験はあったので、基本的なモノ(敷布など)は手持ちにありました。久しぶりに掘り出すとわくわくがすごい。
今回はコロナ禍での開催ということで、消毒液やお釣り渡し容器などを新調しました。
イベント当日!
イベント数日前に自宅にて印刷物を受け取り、当日はいざ青海展示場へ!ちょっと早めに入場し、頒布物を並べてる瞬間が一番わくわくしたりします。
COMITIA、やっぱりたのしい
当日参加するまで、つくった本を「数人に手にとって貰えればうれしいな」くらいに考えていたので、印刷部数は二次創作本の実績より少なめにしていました。
その結果、なんと正午過ぎには完売!!!(???)うそでしょ。
開場後すぐにスペースに来てすぐ「一部ください」とおっしゃってくださった方々、すき。
スペースの留守番を知人にお願いして会場内をぐるぐる回ったりしたのですが、スペースに帰るころにはめちゃくちゃ在庫が減ってたりして、やっぱり居座ればよかった〜〜〜〜などとも。
なにより嬉しかったのは、スペースの前を通りかかってサンプルをご覧になった後の「一部ください」。これって、私って人間やその創作物のバックグラウンドを全く知らない状態で「いいな」と思ってくださったわけじゃないですか。なんで???私が自分でつくりたいものをつくっただけのものに対して、あまつさえお金を払おうとさえ思ってくださったわけです。そんな神々が何十人もいらっしゃって、天界か???ってなりました。
なんというか凡な表現ですが、自分が認められたような気がしてとにかくハッピーでした。
またサークル参加しようね
つくりたいものはまだまだたくさんあるので、ぜひまたサークル参加したいです(すぐにも参加したいですが、時間の捻出ができるようになったタイミングで。。。)。
コロナウィルス流行の影響で一時期は開催中止が続いていたCOMITIAでしたが、無事またこのように開催されている事実が嬉しいです(クラウドファンディングも参加してよかった)。いつかまた、なんの憂いもなく熱いあの場所が戻ってくることを祈ります。
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